鶴亀千年万年王国
板谷みきょう

しなやかで たおやかに
年を重ねてきた はずだった

細かく 文字が
震えるように なったのは
いつから だろう

なだらかな 線を描くことが
できない

文字がかすんで 誤読が増える

責任の所在は 年下の
貧相な想像を 凌駕する

偏屈な 人生の知識は
融通の利かない
頑固 というインク

緑のマス目から
はみ出し 
藍が 紙に滲む

それこそが老い


自由詩 鶴亀千年万年王国 Copyright 板谷みきょう 2010-05-20 02:10:42
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