記憶
たもつ

 
 
虫かごと網を持って
虫をとりに行った
どんなに網を振り回しても
虫以外の生物や
生物ではないものしかとれなかった
とったものは逃がしたり
あったところに置いたりした
元の姿に戻らないものもあった
そのようにして一日一日が過ぎ
季節が過ぎていく
虫がとれたら
見せたい人がいた
でもそれはとても遠い昔の
記憶のような気もする
 
 


自由詩 記憶 Copyright たもつ 2010-05-18 21:53:34
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