かえるのうた
八男(はちおとこ)

道を歩いていて 石を踏んだ
ケロケロと音がした

石の下には蛙はいない
私の靴下の中にも蛙はいない
未だケロケロと屁をこいたこともない



ケロケロと

石か
やはり石が鳴いたのか

やっぱりこれが蛙なんだ

いままで決めつけてた
ぴょんぴょん飛び跳ねるアレは馬で
石と決めつけていたものが蛙なんだ
それで馬のアレはソビエト連邦だ

私は豆電球で
換気扇はオリックスのカブレラだ
利き腕は新幹線で
君が流した涙は牛若丸だ

三日月は鎮魂歌で
味噌汁は噴水だ

それから
蛙が
ケロケロと
隣に住んでいる人の部屋の
目覚まし時計みたいに
鳴き止まない

誰かはやく押してほしい



自由詩 かえるのうた Copyright 八男(はちおとこ) 2010-05-16 19:06:29
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