秘密基地
三上あず

君はもう忘れてしまっただろう
私ももう忘れてしまったから

ランドセルを投げ出して
入り込んだあの家は
もう今じゃ見つかりっこないね

大きくなるにつれて
何でもできるようになると思っていたあのころは
怖いものなんて何もなかった


砂山の階段を上って見えた景色は
今よりもっと眩しかっただろう

きこえるかい
ほら 足音がするよ


自由詩 秘密基地 Copyright 三上あず 2010-05-13 02:38:01
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