欠落
朧月

わたしのむねのおくをのぞいて
ひとよりすぐれているといふ
じぶんをみつけてぞっとした

つくえのひきだしがちゃがちゃで
だいじなノオトがみつからない
いいこといっぱいかいてたの
それはひとよりすこしだけ
すぐれているとセンセイが
みなのまえでよみあげた
だいじなノオトがみつからない

がっこうがえりのみせのまえ
きになっていたあのこがいたの
わたしはかまってほしくって

あんたはばかだ といいました
おくからでてきたははおやは
あんたのいえは ときいたので
しんぞうがむねからとびだして
おがわにながれてゆきました

それいらいわたしのしんぞうは
からっぽなのです ないのです

ひとよりすぐれているといふ
わたしのおごりはそのときの
なくしたしんぞうあたりから
ふいてるかぜのむきのせい
すうすう おとがもれるせい

すぐれているから
すぐれているから
そんなおとするあなのせい



自由詩 欠落 Copyright 朧月 2010-05-12 22:51:22
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