森の猫

家の夢を見る
なんども なんども

ひとつは
3件ならんだ
森に囲まれた
一番奥の家

あたしの部屋には
天窓がついていて
夜空の星が見られる

とても おちつく
木の匂いのする
2階建ての家

もうひとつ
ここは マンションだ
海の見える 高いところ
多分7階以上のやはり
廊下を歩いて
つきあたる 部屋だ

ここの間取りは
さだかでない

ただ
母がいつも来て
あたしのことを
気づかっている

赤いドアが印象的だ

この25年で
4回の引越しを重ねた

段々 広い部屋に移り
今は子供たちが大きくなったので

都内の3LDKは
とても
狭く感じる

実際 埼玉から越す際
多量の大物家具を処分してきた

それでも
狭い
娘と同部屋の6畳の和室が
あたしの部屋だ

最初の角の星空の
見える家は
父がプレゼントしてくれた
ことになっている

父はもう いないのに
遠い惑星から
見下ろしているのか


最近はその響きに
執着はなくなってきた

生きがいが
あたしの 全てだ

財産までは あちらには
持っていけないもの

胎児のように
縮こまって眠る
あたしには
半畳のスペースが
あれば 充分だ

なんで
なんども
見るのだろう

同じ家の


自由詩Copyright 森の猫 2010-05-12 04:09:41
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