Milky Way
鵜飼千代子

 やさしさが舞い降りる夜には
 てのひらの温度が少しだけ
 高くなるのかもしれないね

 指の透き間から流れて行く光たちは
 零れて終わってしまうのでは無くて
 それぞれの辛い道のりを
 苦しみや優しさを背負いながら
 きっと誰かに辿り着いていく

 いつでもその場所から
 指先を握り返してくれていたから
 擦りむいた膝にバンドエイドを貼って
 ここまで歩いて来られたのかもしれないね

 明日も朝がやって来て
 日めくりは数字を重ねるけれど
 楽しい日ばかりが待っている訳じゃ無い

 生命線が天の川のように
 ゆるやかなカーブを描いて
 昨日までもこれからの日も
 静かにわたしを銘している    

 明日もあなたのもとへ
 温もりを届けられますようにって

 祈っている



2000年 WEB小詩集「さやけき」所収
http://homepage.mac.com/tmoegi/SK/sayakeki.html


自由詩 Milky Way Copyright 鵜飼千代子 2010-05-11 21:59:44
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