無罪放免
森の猫

一番のバスで出た

いよいよ 今日だ
審判の日

平静をよそおいながらも
心はゆれる

もしも
もしかしたら・・

病院に着く
診察ナンバーは”4”

あたしのラッキーナンバーだ
なんか 希望がもてた

待つこと1時間
もう しっかり決めてしまった
海外旅行のガイドブックに
目を流す

”土屋さ〜ん”
呼ばれた

足をもたつかせながら
診察室のドアを開ける

先生は落ち着きはらって
カルテを整理しながら
なかなか言葉をくれない

”先生、結果は・・・”
あたしが 先に口を開いた

”病理は問題ありませんでしたよ”

”じゃ、がんじゃないってことですか”

”ホルモンの異常ですね。
貧血がひどいですから、鉄剤をだしましょう”

”先生、7月に海外旅行の計画を立てて
いるのですが、大丈夫ですか?行けますか?”

”行けますよ。
 あなたは、思考がはっきりされている、
 もう、大丈夫です”


やったーーー!
無罪放免だ!!

病院を出て
あたしは キミの名前を叫んでいた

ありがとう

キミのことばで
なんとか
持ちこたえられたよ

この2週間

ありがとう みんな

心配してくれた みんな

あたしは
生かされている
と 強く感じた


自由詩 無罪放免 Copyright 森の猫 2010-05-10 23:58:40
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