中央線のラインから
番田 

やり尽くされた言葉を抱えた
私は諦めにも似た感情を どこかに封じ込めていく
やり尽くされた 言葉なのだろう
ひとつも 手にしていない

私は存在する
暗闇ではないのだと 思うべき そこで思わされた
いつも私だけなのだと 君に
東中野だった 駅前に 立ちつくしていた

ひっそりと潰れた店が そこには 建っていて
私の その店の上さんと いつまでも亭主をしていたのかもしれない
そんなことなど どうでもいいさ、で
私は早く会社に行かなければならなくなった

そんなふうに彼女とさよならをして アメリカに憧れる
私は道草をすることなど 知らない
行ける場所は決まっていたから イギリスにしても
私に選ぶ権利はないのだろう


自由詩 中央線のラインから Copyright 番田  2010-05-10 23:46:01
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