レッスン11
ふるる
だらりと舌を垂らした犬が
くわえていった
無限に広がる雨音の中で
たった一音が残った
炎を見つめて乾いた暁の頬を
夜が照らした
葉脈を流れる冷たい水が
樹 まるごとであると知っていた
激しい罵り合いの後にも
空腹は訪れた
カゲロウが翅を休め
透き通った影ができた
誰かに愛らしい名前がつけられ
その名前が唱えられた
遠い潮の香りは
静かに記憶をまさぐった
それこそが、
「 」
誰もが一言だけを胸に
墓に収まった
その墓には
花が寄り添っている
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****印象詩っぽい*****