アンテナ
快晴

ロウソクが一つ増える度
アンテナの数は減っていく
小さなことに喜んで
小さなことに傷ついていた頃
ガラスのような脆さと透明感を
恐る恐る抱いて生きていた

今はもう少し図々しくなり
その代わりに何かを失った
それは成熟でもあり
それは同時に退化でもある
あのガラスのような繊細さを
今更、賛美する気も私にはない

しかしそれでも、
たとえ向きは変わったとしても
ロウソクの数が一つ増える度
私はまたアンテナを増やせるだろうか
それがどんなに錆び付いていても
そしてまた傷ついたとしても


自由詩 アンテナ Copyright 快晴 2004-10-07 07:42:27
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