廻る第三惑星
葛西曹達

一日二回
同じ時刻を針は差す

空に穴がぽかりと空いて
金色の真円を描いた

木曜日のジュピター
金曜日のヴィーナスに
勝ち誇った顔で笑われる

一日三回
大量の糧が喉を通る

夢に至るまでは
目が離せないのだ

火曜日のマーズ
月曜日のムーンに
託されては困り果てる

一日五回
無機質に挨拶を交わす

床に臥した体で
望月に照準を合わせる

水曜日のマーキュリー
土曜日のサターンを
待ち焦がれて遂に泣く

日曜日の燃える太陽
宇宙の中心はいつでも
孤独な寂しい光を放つ

この身焼かれるまで
僕らは日々近づいてゆく

一日一回
廻る第三惑星


自由詩 廻る第三惑星 Copyright 葛西曹達 2010-05-02 23:07:17
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