ゆめ
木屋 亞万
にんげんはどんどん美しくなっていく
美しいにんげんが美しいにんげんとけっこんして
より美しいにんげんをうみだす
あまり美しくなかったにんげんも
美しいにんげんとまざりあううちに美しくなる
美しいひとたちはどんどんふえていく
たくさんの美しいにんげんが
このちきゅうをうめつくしていく
すみわたるあおぞらのした
ふかいふかいもりのなか
とおくあさいうみのそこ
美しいにんげんがわらう
いきのこっていくにんげんはみな美しい
いまあなたがそうおもえなくても
もっとたくさんのときがたてば
あなたもこころから美しいとおもえるにんげんばかりになる
にんげんはみなやわらかいのだ
しろくくろくきいろくかがやいているのだ
ひのなかでみずのなかでつちのなかで
そしてひかりのなかを
きょうもにこにこしながらあるいている
美しいかみをかぜになびかせて
いいかおりをただよわせながら
美しいかげをひきつれていく
にんげんはすこしずつ美しさをみにつけて
どんどん美しくなっていく