ある晴れた午後 
木葉 揺

カーテンから漏れる日と
液晶の画面だけ
私の顔を照らしてる

胸に鉛を抱えたまま
キーボードを叩いた

誰も・・・誰も・・・


ビシッ!!

不意に胸を射抜いた音に
窓の外を見る
ああ、一軒向こうには
職人たちの仕事の音が!

ギギギギー!

木材を切り続けてください
お願いもっと
つんざいて つんざいて

その金鎚で打ちつけて
もう二度と釘が出て来れぬよう
ガンガン ガンガン
眩暈がするくらいに

それでも腕は
光の線に手を伸ばし
声を探してる

ベランダに出て手を振れば
何かが始まるというのに
空の下
ごつごつした世界が待っているのに



自由詩 ある晴れた午後  Copyright 木葉 揺 2004-10-06 15:16:42
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