ごめんね
花形新次

股の左側が痒い
その言葉だけを残して
君は消えてしまった

黙っていたけれど
僕は右側が痒かったんだ

ひょっとすたら(訛ってみました)
心が通じあえたかもしれないのに

もう君はいない

越後湯沢駅のホームで
風に吹かれながら
股の左側を
そっと掻いてみる

あのときの
君の気持ちを
推し量るように

痒くもないのに


自由詩 ごめんね Copyright 花形新次 2010-04-28 21:24:26
notebook Home 戻る