気温20℃
あおば

              100421









地元の塩に成りたいと
海に潜ってみたけれど
海の中も塩辛く
息苦しくて堪らない
息をふぅーと吐きながら
ガス交換をする呼吸
それ!
その意気だと
勘違いする励ましに
息も乱れてへとへとに
近くの濱にたどり着く
愉快な道中を夢見たのに
悲惨な目にあった
これも遠くの火山の噴火の為と腹が立つ
噴火する火山
憤然と席を立つ勇姿
富士山の裾野に連なる沃野
何処かの飛行船が着陸する毎に
父親が現れて
嬉しそうに手を振るので
地元の塩は精製の機会を失い
不純のままに
堆積されて
薄汚れて
通行人に踏まれて
地上に留まることもできなくなって
永遠に彷徨うことになる
気温20℃の報いと知る


自由詩 気温20℃ Copyright あおば 2010-04-21 17:31:40
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