smolder
mizunomadoka

子供が死んでいた。
焼き払われた村の外れに墓地をみつけた兵士が
石に名前だけを刻んだ。

「名前も分からずじまいだったからな」
レーザーナイフで祖父の名前を彫ったあと
煙草に火をつけて目を細めた。

「門のところでさ、俺が発見したときにはもう死んでたんだな。あれは」
そう言って石を地面に置いた。



自由詩 smolder Copyright mizunomadoka 2010-04-19 21:09:22
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