欠席哀愁
久亜麻ジュン

エラそうにする人は嫌われる

嫌われるほどではないにしても疎んじられる

疎んじられるほどではないにしても避けられるのが常だ


だけどそう見えてしまうかもしれない状況を

演じなければならない時がある


エラそうに見られていた人が

席を外したとき

残された人たちの笑いの軽さに

去っていった人の無言の重さがのしかかる


途端に空気が和らぎ

ほどなくして

張りつめた世界は弛緩する

ぼくは彼に戻ってきて欲しいと思った


自由詩 欠席哀愁 Copyright 久亜麻ジュン 2010-04-16 11:58:37
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