ice to you
mizunomadoka


静かに雪が
降り積もる夜には
深くソファーに横たわって
氷の国の子供らのことを夢想する

子供たちは
月灯りのプールサイドの意味が分からずに
石化したマンモスの国境に夜明けが近づくのを
凍りついたままじっと待っている

船の底の錆びたオールのような教訓と
時計の秒針のような優しさで
その意味を教えてあげられたらと思う

時折、窓に向けられる大灯台のライトが眩しくて
目を閉じる

辺りは静寂
水分を奪われた木枠が乾いた音で軋んでいる

目を開ければ
外はあいにくの雨

思慮深い母親が疲れを癒すために眠っている



自由詩 ice to you Copyright mizunomadoka 2010-04-14 19:13:31
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