イドのまわりのわらべうた
salco

お鼻の高いおくさんが
キャリーを曳いて家を出る
きらわれ者のかあさんは
むすめの手引いて家を出る
きれいなあしたを夢に見て
あるべき門出をやり直す
首なし亭主の死体つめ
青いお墓に捨てに行く
カップラーメン餞別に
桃子を川へどんぶらこ

人斬り以蔵はおさむらい
ひっそりひそむはひとさらい
ぶらんこ揺れてた昼さがり
めいちゃんお手手を引っぱられ
お口に葉っぱを詰められて
お山の斜面にほかされた
おとなはみんな知らん顔
おにんぎょ見つけて大騒ぎ
ひと月経てばほくそえむ
ほとぼり冷めたとひとごろし

石けりママチャリ猫ごろし
校庭の向こうはまっ暗で
むくむく黒い雲が来る
こわくて帰りの足すくむ
すくむとおそく 道ながく
お家がますます遠くなる
前にも後にも誰もいず
垣から腕が伸びるよな
おばけが角で待つような
生きてはお家に着けぬよな

お次はだあれ
めいちゃんのお次 だ〜れだ?


自由詩 イドのまわりのわらべうた Copyright salco 2010-04-14 06:15:21
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