食事
朧月

古ぼけた湯飲みに乗り移った祖母が
あんたもええかげんにしいやと見つめる
ああ
そんな目でみんといて

欠けた茶碗は祖父だった
だいたいお前はお前はお前は
ええい
うるさいうるさい白いご飯めご飯め

つるっとすべる箸は優しい方のあの人か
真っ白いお皿はこうるさい叔母か

一同礼
して 食べる飯

食卓がにぎやかなのはいいことだ
せめて喋らない家族より
乗り移ったみんなと食い合おう

なんだ
母も父も
だれかに逢っているような顔してる
やっぱり食べることは生きることなんだ

最近お前はどうなんだ
って言って欲しい家族の場所は



自由詩 食事 Copyright 朧月 2010-04-12 20:41:00
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