赤い蒼玉
あおば

                  100410





青と赤
どちらがお好きと
鴎の便り
飛行機のような胴体を
すらりと滑り込ませて
人混みの中を行く
美しい人だと噂する
八岐大蛇の末裔だと貶す人もいる
あたかも2100年を迎えるように
気を高ぶらせて居るのだ
すらりと滑り込んだのが昨日のような気がするが
もう100年経ったのだと
老いた顎をなで下ろす
ざらついた頬が便りを読んで
早速の返信を認める
青と赤の加色混法が作り出した
世紀末の空はなんと素敵なのでしょう
そんなことを書いては消した
100年前の記憶を消した波と風
舟が出るのは明朝
22世紀の夜明け











「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。タイトルは、黒葉かものさん。



自由詩 赤い蒼玉 Copyright あおば 2010-04-12 11:25:14
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