なぁぼくは受話器で泣いてるきみを抱けん。その泣き声さえも「ほんもん」ちゃうんや。 気の強いきみの受話器が黙るんは なんでかわかるよ、ぼくにはわかる。 お願いや。ぼくの前じゃないんなら どいつの前でも泣くなや、頼むわ。 なんでやろ。いちばんみたくないもんが きらきらひかって…(みてみ、きれいや) 鉛筆の芯を折らんと最後まで 削れるきみは血を噛んで泣く ぼくはなぁそんなふうには泣けんのや 「泣いてや、泣いてや」 ここでは泣かん。 なきじゃくる そんな夜だけこわい夢、みない可愛いぼくの恋人