あめのちあめ。
あぐり






なぁぼくは受話器で泣いてるきみを抱けん。その泣き声さえも「ほんもん」ちゃうんや。



気の強いきみの受話器が黙るんは なんでかわかるよ、ぼくにはわかる。



お願いや。ぼくの前じゃないんなら どいつの前でも泣くなや、頼むわ。



なんでやろ。いちばんみたくないもんが きらきらひかって…(みてみ、きれいや)



鉛筆の芯を折らんと最後まで 削れるきみは血を噛んで泣く



ぼくはなぁそんなふうには泣けんのや 「泣いてや、泣いてや」 ここでは泣かん。



なきじゃくる そんな夜だけこわい夢、みない可愛いぼくの恋人






短歌 あめのちあめ。 Copyright あぐり 2010-04-08 20:49:11
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