桜の花の満開の下で〜いつか鬼になる日まで〜
未有花

・・・私死ぬのね
はらはらと満開の桜が散る中
私死んで行くのね・・・



最後まであなたの愛にすがって生きていたかった
少しは私に愛が残っていると思っていたのに
結局あなたは私を捨てて
あの女の元へ行ってしまうのね

でも もういいの
あなたを恨んだりしてないわ
あなたに刺された胸の傷が痛むけど
捨てられてひとりきり生きて行くより
このままこうして死んで行く方がいい
あなたに殺されて死んで行くなんて私嬉しいのよ

ねえ あなた
桜がとても綺麗よ
私にはもうだんだん見えなくなって行くけれど
あなたと初めて出会ったのも
こんな桜の花の満開の下だったわね

今思えばあの頃が一番幸せだったのかもしれない
あなたに愛されて私とても幸せだった
私たちの愛はもう終わってしまったけれど
桜はきっといつまでも美しく咲いてくれることでしょう
私の体から養分を吸って
私の魂から怨念を吸って
狂おしいほど美しく咲いてくれることでしょう

いつかまた私のような悲しい女が
桜の花の満開の下で
愛に裏切られてこの世を呪うかもしれない
桜よ桜
それまで私おまえの下で永遠に眠っているわ
いつか鬼になる日まで
さよなら 愛しいあなた・・・


・・・私死ぬのね
はらはらと満開の桜の散る中
私死んで行くのよ・・・


自由詩 桜の花の満開の下で〜いつか鬼になる日まで〜 Copyright 未有花 2010-04-05 09:03:37
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