空を折るには指がたりない
砂木



本を閉じるように雲を抱え
糸くずのついた縫いぐるみに
兄弟の名を教える

のぞきこまれた気がして
草のつぶやきに
片言で行くと答え
噛み付くように
草をむしり切り捨てた

縫い針の糸刺し穴に
暗い明かりが灯る

からになるなら陽射しの増した
枯れ草のかさかさになる頃

つまづいて転んだ土に
投げ出されてもなじまぬように









自由詩 空を折るには指がたりない Copyright 砂木 2010-03-27 22:42:49
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