避雷針の街
瑠王

その街は静かになりました
もう、人間しかいませんでしたから
精霊も、神様もいませんでしたから
なのに彼らは恐れていました
もう、人間しかいませんでしたから
精霊も、神様もいませんでしたから

光に打たれることを免れて
人々は体内に影を得たのです
だから彼らは恐れていました
彼らは彼らを恐れていました
針のついた建物の中で
ただ家族は震えていました
もう、人間しかいませんでしたから
精霊も、神様もいませんでしたから
その街は静かになりました


自由詩 避雷針の街 Copyright 瑠王 2010-03-26 16:54:14
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