貴婦人のハンカチ
番田 

僕の何も語らず青ざめる、
金粉をこぼれる街の海のおっさんに、
見える女の居場所を通り馬糞を数える、
僕一人の立つ、
コインを希望する婦人の側に艶やかなる、
公園に出向く散歩道を娘は走る、

時を小男が考えあぐねてベンチを立つ、
瞼に被す金色に香る僕の胸の石版で、
穏やかに描く、
表面の真新しいディティールの一個を投げる、
病める目は一つの品物を取る花々の二つを薫る、

花びらの群青の中を、貴婦人のウォッカが濃厚、
ポケットは数枚のコイン、
墓穴は俺の歩くことを落下する、


自由詩 貴婦人のハンカチ Copyright 番田  2010-03-24 02:14:03
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