先生
くろきた

嫌な先生がいた

すごくすごく嫌いだった


何かにつけて私のことを

何でも解っているような

笑い方が大嫌いだった


でもある時

風のうわさで聞いたのは


どうやらあの先生は

私の将来のことを考え

色んな場面で上手くいくように

していてくれたらしい


それから私は

どうしたら良いかわからなくなった

ふてくされていた自分が

バカみたいだった


卒業式の日に

最後の終礼

先生はいつもの笑い方で

最後を締めくくった


号令の後 

私は先生の肩をとんとんとたたいた

先生は振り返って

どうしたといった


私は頭をさげた

今までにないくらい

深く

そして言った


『ありがとう、ございました』


先生はまた笑って

お母さんによろしくな、といって

教室を出て行った


ひとつ、成長した気がした



自由詩 先生 Copyright くろきた 2010-03-22 16:36:51
notebook Home 戻る  過去 未来