放課後
朧月

僕らは
どうでもいいんだけど と言いながら
また大事な話をはじめる

ときおり必ず眠いと言いながら
タバコなんてやめたいと言いながら

コーラが
約束事のように置かれている
ポテトが トロフイーみたいにたてられている

BOXとよぶ 僕らの世界は
守るためにあった 僕らの城

大人と呼ぶ敵を
見下すことが条件でさえあり
裏で服従するのが 当たり前だった

どいつもこいつも
顔色をみる能力者でしかなくて
心理なんて わかりっこない

涙もろいのも テキストで学んだ とおりの
頬の動かし方で 泣く

指先が器用だから 愛もそこで語る
土手にはえた 雑草を踏みながら

こいだ自転車の前カゴにいれた
僕と君の将来の夢は
急にふいた春風にとんで
永久にもどってはこない

僕はグランドの隅っこに君を待たせ
裏口から 帰ろうとしている
BOxでは 今夜も重要な会議がはじまるから
メール音がなればそれが 合図

君がこなくても始まるはずで
僕たちはそうやって 何度も
そぎおとしながら 自分によく似た自分を探している



自由詩 放課後 Copyright 朧月 2010-03-15 22:31:06
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