原節子な (春ですわおねえさま)
salco

グレタ・ガルボの鼻毛がそよぐ
そよそよ、そよそよそよぐぞよ
あれよ巨大な黒チューリップ
畑の真中にそびえ立ち
日晒しの花弁は遥か紫色よ
おお春はゴッホの描く日輪の
わだちの中にらりるれろ
蝶々は黄色くはひふへほ
ヒバリ騒ぐよタチツテト
ブリキの太鼓のトテチテタ
声も飛ぶ飛ぶ麦畑

風船がゆっくり青を渡ってく
さてもそろそろさしすせそ
バナナの剥き身に頬寄せて
わたしゃまどろむまみむめも
娘十八ほんとは二十八コウノトリ
キャベツゴコロは変わらぬわいな
ほんにウブ毛の桃の肌
花揺れて、初恋さへも知らぬげに
戯れにちょいと手折ってみよかいな
うれしやの、真綿天気はうれしやの
あてもいつやら脳天気

屋根屋根に昼寝の猫も咽鳴らし
薄衣のOL達も満員電車
くすぶった男達の鼻先で
あちゃらこちゃらが匂い立つよな
風情じゃの
あれアレあちきも何とやら
そっちこっちがむず痒いよな あああああ
赤しろ黄色葉緑霞花妄(みだ)り
風にハアトがそよぐよな
ねこじゃらしに靴が化けるよな
スウエタアに羽毛が百本生えるよな
春ぞやえ
はるはるしらへの春じゃぞえ


自由詩 原節子な (春ですわおねえさま) Copyright salco 2010-03-05 20:43:59
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