バッカス
番田
母のチョコレートを
一口づつ食べて横たわり
ふとんに寝ころびタオルを引っ張る
心だけが少し温度を纏う
ふろしきに近い紫で
女の子が差し出す緑色をした
男の子が受け取る汗ばんだ手の
パッケージの中へ包んだカラフルな景色が
澄んだ風にほんのりと漂う
ボートを漕ぐ空に
唇が動く
想像としてうかんだ歌を
指がぼんやりと撫で
窓を行く青い川に
河童が泳いでガラスを揺らす音がした
ジェット機のようだった
自由詩
バッカス
Copyright
番田
2010-02-28 01:45:02
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