ある春のいちにち
吉岡ペペロ

人工的な空間に

とりのこされるような

ある春のいちにち

人工的な、というのは

花曇りの空もようと

コンクリートの

水を含んだ香りのことなんだが

ある春のいちにち

そんなところにとりのこされていた


恋人たちが妖精のようだ

ぼくだけが汚れている

おまえたちの失意や蹉跌に

ぼくが同苦していてやるから

それだけだ

ウソがないとしたらそれだけだ


ある春のいちにち

人工的な、というのは

花曇りの空もようと

コンクリートの

水を含んだ香りのことなんだが

ある春のいちにち

そんなところにとりのこされていた








自由詩 ある春のいちにち Copyright 吉岡ペペロ 2010-02-27 19:48:42
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