子供事情
朧月

給食費を払いたくない親がいるらしいけど
その子供は大食いらしいよ
なにより給食がすきなんだって
おかわりっていう声が明るいんだって

教室とろうかの隔たりが なくなって
オープンスペースになった
閉鎖された学級のオープンスペースは
まるで大きい鳥籠みたいだよ

ひかれた椅子に
座っておとされる そんな日常は
薄笑いに満ちて
はいってこれない教師の顔は青くて
子供心にも 悲哀って言葉が刻まれる

未来や希望や 明日なんて
朝礼でも 学校長の話でも
何度でも 繰り返されるけど
明るくはないね

登校途中で おばさんがひっぱる
自転車のかごにいれてもらった子犬が
僕のほうみて くうんと 鳴いたから
僕は自然に頭をなぜていた

下校途中で おじさんが耕してる
畑に野菜の花が咲いている
僕はそれを見て 綺麗だとおもったんだ
名前も知らない小さな花を見て
生きてることの 強さを知ったんだ

言われなくてもいい
見せられなくたっていい
僕らの世界は 僕の目で見れるんだ
明るくなくても 光じゃなくても
僕らは ゆくんだ 僕らの足でまた
すすめるんだ いっぽずつ



自由詩 子供事情 Copyright 朧月 2010-02-25 22:42:47
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