娘へ −だめ親父の伝言−
……とある蛙

生まれたときから
屈託のある顔をした君は
赤ん坊のくせに徹底していて
怒り出すと
……いやっ
興奮し出すと
顔が赤黒くなるまで興奮して
泣いているのか怒っているのか
とんと僕には分からなかったが、
言いたいことがあったから
三角のおにぎり頭を真っ赤っかに
していたのだろう。

いつまで経ってもおにぎり頭の君は
とってもやさしい子に育った。
三月生まれなので小学生の時は
いじめられたりもしたけれど
下唇を突き出して泣くのを耐えていたっけ

事務所の近所の
いじめられっ子のヒカリちゃんとよく
登下校一緒に行っていた。
それも優しさなのか
一緒にいじめられはしないかと少し心配だったけど
僕は女房といじめっ子をいじめ返していた。
最後には僕か女房の顔を見ると
いじめっ子はみんな逃げ出したっけ。
その親たちも最後は僕らに気を遣っていた。

(中学・高校時代はほとんどおれ飲み歩きでよく知らず)

そんなこともあったけれど
君は大学を卒業して今度は大学院だ。
そんなに勉強が好きなわけ無いのになぜだ。

でもきみはプーやアリスが大好きで
いろんな本を原書も含めて買い込んでいたようだ。
本当はヘビメタ大好きのファッキン娘なのにね。
大学の理事のシスターがハロウィンのTシャツ見て驚いていたようだね。
大学の英語スピーチの大会で
ヘビメタがなぜ好きかをテーマにして
優秀賞を取ったのには少し驚いたけど。

まぁ頑張って勉強して下さい。
そして、人生を切り開いてください。
だめな父親は目立たないように応援してます。
これからも。


自由詩 娘へ −だめ親父の伝言− Copyright ……とある蛙 2010-02-24 21:51:25
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