St.Valentine
月乃助



海をぬけると…
ここは、違う国
この世界に一つだけ、二人だけの

バレンタイン・デー
今年はどうしますか、
きみの気持ちは かわっていませんか、
それならば、飛び切りの
赤いバラはいかがでしょう

ベルベットの光沢がきっと きみの心を
紅色に染め上げて、
笑顔をみせてくれる

何も変わらない、昔とちっとも
義理などでない ほんとうの気持ちを
千年先にもきっと、熱く染めるため
僕はきっと約束をまもるよ
永遠などと、薄っぺらな言葉をのみこんでしまって、
それでよいはず
今年の想いを、それだけをきみに届けたくて

みなが笑っていた
男がチョコレートを買っていたりしたから、
セント・バレンタインは、男の人だってきみが口をとがらした
思い出す今も、女の子の列の中で握りしめた四角い箱は、
ベルベットのリボン

そう、チョコレートじゃなくても良いのだね
愛 をあらわすために
一つに心を縛るのでなく、自由にきみに、僕に、
伝統だからじゃなく、人がするからでもなく、
自分の心のその声が
いやに消え去らないから 
それを聞きながら、

ただいま 
そうここが僕の帰る場所なんだ、
しっかりした道を歩こう 二人で
それでいいなら
さあ、受け取っておくれ




自由詩 St.Valentine Copyright 月乃助 2010-02-13 13:04:06
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