St.Valentine
月乃助
海をぬけると…
ここは、違う国
この世界に一つだけ、二人だけの
バレンタイン・デー
今年はどうしますか、
きみの気持ちは かわっていませんか、
それならば、飛び切りの
赤いバラはいかがでしょう
ベルベットの光沢がきっと きみの心を
紅色に染め上げて、
笑顔をみせてくれる
何も変わらない、昔とちっとも
義理などでない ほんとうの気持ちを
千年先にもきっと、熱く染めるため
僕はきっと約束をまもるよ
永遠などと、薄っぺらな言葉をのみこんでしまって、
それでよいはず
今年の想いを、それだけをきみに届けたくて
みなが笑っていた
男がチョコレートを買っていたりしたから、
セント・バレンタインは、男の人だってきみが口をとがらした
思い出す今も、女の子の列の中で握りしめた四角い箱は、
ベルベットのリボン
そう、チョコレートじゃなくても良いのだね
愛 をあらわすために
一つに心を縛るのでなく、自由にきみに、僕に、
伝統だからじゃなく、人がするからでもなく、
自分の心のその声が
いやに消え去らないから
それを聞きながら、
ただいま
そうここが僕の帰る場所なんだ、
しっかりした道を歩こう 二人で
それでいいなら
さあ、受け取っておくれ