迷子のように
舞狐

こんなにも遠くまで来てしまった

振り向けば知らない場所


戻ると言っても
来た道さえわからない


共に歩いてきた人は
私から離れた場所に見えるだけ
四方八方に向かい歩いている

階段を上る人
踊り歌い歩く人
行きつ戻りつ繰り返す人

歩み方は色々あれど
皆が輝きを放ち
確実に進んでいる


ここは通過地点だから
気にするなよ
声がする

みんなこの場所がどこなのかと気にはしていない


広場のような歩きやすい開かれた場所に
私だけが動けなくなっている


どちらが行く道か
どちらが戻る道か




自由詩 迷子のように Copyright 舞狐 2010-02-12 06:23:14
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