少女達
霜天

街、に行く


ふあり
掌を反す



どうにかなる全てのことを
届いてしまういつかのことを
不可能、と扉を閉めてみせても

細い
糸のように呼吸をして
歩幅はそれでも加速を続けて
ふあり
音などなかったかのように
あなた達、は

どこに行くとしても
潜り抜けた先で口笛を吹く
それだけを約束として
決して千切らないで



どうしようもない、馬鹿げていると。分かっ
ていると呑み込んでみても。君たちは軽くす
り抜けていく。笑顔、笑顔。灰色に塗られた
横顔。名前のない沢山の声。そこに立って分
かること、発見された事柄。今、何を着飾っ
ていくのか。私の横をふありと、すり抜け。



答えない、あなた達の
叫びがどこかで聞こえても
どうにかなる全てのことの
道端で触れた花びらを
私にはない歩調で
弾くように、掬い取り


掌を
ふあり
反す

手を伸ばして、掴む


自由詩 少女達 Copyright 霜天 2010-02-09 19:50:36
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