梅花観賞
朧月

梅の花がふくらんだよ
家族みんなでみにいった
あの梅の花が

山あり谷ありと いうほどでもない傾斜なのに
つえをついたおじいちゃんやおばあちゃんを
誘導する母や父には 救助隊みたいな緊張があった

おどけて いったりきたりした
私は ときおり思った

家族みたいじゃんって

どんな過去や どんないさかいが
あった昨日じゃなくて
足元だけに注意する 両親をすきになりそうだった

昼食は なんにしますかと
母の声に空をみあげ 
なぜか つんとする鼻をすすった

梅の花はまた
もうすぐ 咲くのだろうと思う
そろわない たったひとりの歩でも
みにゆこうか



自由詩 梅花観賞 Copyright 朧月 2010-01-29 18:36:46
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