銀世界に紅
相羽 柚希
小さく芽吹いたポプラが
わたしの背を追い越して
空まで届かんと
生き急ぎます
ナナカマドをついばむカッコウが
雪に赤い跡を落とし
上昇気流にのって
翔けまわるのです
潰されたホオズキを見て
野良ねこが遊んだのだなと
くすりと笑い
足跡を、さっくりと
落下したオンコの実は
真っ赤にわたしを染めて
拒絶された毒が
小さく芽吹いて
また、春がくるのですね
自由詩
銀世界に紅
Copyright
相羽 柚希
2010-01-27 02:47:21