盗めない宝石
こめ

鳴らないチャイムを待ち続け

今日も1日が過ぎて行った

明日の僕に手渡す物は

多すぎて目眩がした

足も耳も目も鼻も手も全てのパーツは

一つも合うものがなかった

中古と嘆く僕の体の回りで

弾けるのはエンジェル達の拍手

盗むことは出来ないのは沢山あった

なんでこうも欲しい物に限って

手に届かない位置にあるのだろう

簡単に盗める物には価値はなく

あるのはスリルと恐怖

テトラポットの上で

海の水平線を見つめて

何かが現れるのをずっと待っていた

僕だけ灰色そして残りの世界は

全部鮮やかに見えた

あの時の僕は笑っていた

またあんな風に笑うことができるだろうか?

そんなの分かってしまったら

何もかもが見えるから

やっぱり辞めて置こう

盗めない宝石は盗めないからこそ輝いていた


自由詩 盗めない宝石 Copyright こめ 2010-01-25 01:22:26
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