寝屋川のおんな
吉岡ペペロ
灰色がいとしかった
軒先の粗雑な植物がいとしかった
産業道路はいつも混んでいた
アスファルトの平地にはチャリが湧いている
ラブホテルやコンビニがいとしかった
おまえの家で合宿みたいなことをした
テーブルが貧しいひかり方で湿気ている
月が電柱と路地を照らしている
窓からは星を探せなかった
あの町にゆくことはもうないだろう
いとしかった
おまえもオレも寝屋川も
灰色がいとしかった
自由詩
寝屋川のおんな
Copyright
吉岡ペペロ
2010-01-24 15:04:36