年が明けてもやっぱり私は私のままでした
涙(ルイ)


年が明けたんだから 私も新しくなってると思ったのにな
寝ても覚めても昨年の私からまったくもって進歩しちゃいなかったよ
なんだか情けなくなって 泣いてみたいとも思ったけれど
鏡の中の私がせせら笑っている気がしたので
だから涙を流す代わりに イーッて歯を出したら
あいつ憎々しげにベーッと舌を出しやがった


まるでなにもなっちゃいないじゃないか
やらなきゃやらなきゃと思うばっかでさ
部屋の掃除も結局しなかったし
洗濯物はたまり放題たまっているし
買ったまま放置した本は
読まれないまま本棚の中で眠っているし
出し忘れた年賀状は
いつまで経っても誰にも届くことはないし
嗚呼 一体何から手を出していいのやら
考えれば考えるほど頭ん中がごちゃごちゃになってきて
いいやいいや 後回しにしよう
めんどくさいことは明日ねまた明日 とか云いながら
たぬき寝入りと決め込んじゃう
まったく まるでなにもなっちゃいないじゃないか


このままでいいなんて思っちゃいないけど
だけど動けないときはどう頑張ったって動けないんだよぅ
こんな私をどうか許してくださいませませ
なんて甘ったれた自分がまた顔を出すもんだから
救いようがないったらありゃしない


でもさもういい加減よさないか
出来ないことをあれこれぶつぶつ云うのはさ
33にもなるんだから
いい加減 出来ることと出来ないことの区別くらいつけって話だよ
出来ない出来ない云ってるから
いつまでたっても何に対しても自信がもてないまんまなんだよ
もういいって
そういうのもう飽き飽きだよ
もうそろそろ いい加減そんな自分に慣れろって



     何が出来ないじゃなくて
     何も出来ないじゃなくて



     朝 ちゃんと起きられたじゃない
     ゴミ出し忘れないで出来たじゃない
     同じ電車に今日も乗ることが出来たじゃない
     苦手なあの人に それでも笑顔でおはようって云えたじゃない
     わからないことはわからないって はっきり云えたじゃない
     今日一日を なんとか乗り越えられたじゃない
     探せばこんなにいっぱい出来てる自分がいるじゃない



今日を生きた自分に 精一杯の〇をあげようよ
おっきいおっきい花まるあげようよ
そうやって少しずつ練習していけばさ
いつか 自分がキライじゃなくなる日がくるよ必ず


自分を責めたって 誰も褒めちゃくれないんだし
お金くれるわけでも おなかが膨れるわけでもないじゃない
そこにあるのは ただの自己満足にしか過ぎないじゃない
どうせ自己満足するんだったら
気持ちいいことして満足しなきゃ


褒められると伸びるタイプなの
だからいっぱいいっぱい褒めてあげよ
調子に乗り過ぎないように
ときどきは叱ってやってね
そうやってだんだん自分を好きになっていく
そうやってだんだん自分が解けていく




年があけてもやっぱり私は私だったけど
でも やっぱり私はいまのままの私がいいや



やっと見つけた この私がいいや


自由詩 年が明けてもやっぱり私は私のままでした Copyright 涙(ルイ) 2010-01-21 19:10:27
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