貴女の股間に夢を抱いてはいけないのですか
ふくだわらまんじゅうろう

あなたの筋肉の
そのひとつひとつと
それらの集合体としての成り立ちを
愛し
愛して

まったく貴女は
貴女というひとは
男の
夢の
何たるかを
わかっていないのだ
だからいつも
そうして平気で
ひとの
こころの
襞の
奥底の
もうどうしようもないくらいの
疼きだとか
蠢きだとかを
まるで春の日の演芸場の
裏庭に咲く
デンドロカカリアの
親戚にでもなった気持ちで
高らかに
そして
伸びやかに
それでいてあまりにも卑屈なまでの
力を込めて
祈るのですか
祈っているというのですか
そしてその
貴女の神はいったいぜんたい
私たちを許してはくれるのでしょうか
いいや
許されないまでも
こうして生かしてくれてはいるという
まったくもって生温い理由を翳して
貴女は
愛するのですか
その薄暗い
最高の塔の地下室に眠る
墓石に刻まれた
文言の
ひとつひとつをしゃぶり尽くす
かのような
激しくも
厳格な
その愛で
愛するのですか
愛しているとでもいうのですか



自由詩 貴女の股間に夢を抱いてはいけないのですか Copyright ふくだわらまんじゅうろう 2010-01-20 22:18:09
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