水平線に触りたい
石川和広

あなたは
あなたは
今何を思うの

車が走る
眼の表面にさけめ
脳の中のさかなめ

あなたは
あなたは
ぼくの言葉を
そのふるえを
感じるの?

疲れた肩に冷たい針
水平にさしこんで
あなたは働いている
わからないけど
電話つながらないから私があなたと私の間の凍み糸を
脳不覚深く刺し込むとき
とき
あなたのかつての笑いがおが蘇り
何とか幻想に気を取り戻す
雨がふり日は射さず
あなたの声が聞こえ
ない
聞こえ
ない
毛穴に柔らかくあなたの声を注ぎたいのに


自由詩 水平線に触りたい Copyright 石川和広 2004-09-24 14:07:28
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