R.S.V.P.
月乃助

R.S.V.P.
それは、きっと
一つの世界の終焉
幕がおりてしまえば

手の温もりをさぐりながら、
かわらぬ笑顔が
かえってくるのに
人のさわがしい声ばかりが
するのです

重い巨きな緞帳を、窓辺のカーテンのように
触れてみたらいい
返ってくるたよりない斥力に、それを動かすことも
今はできないから

つづきは、あるのですか

さっきまで荘厳な
別な世界をさまよっていた
明かりをうけながら
そこでしか生きられない ものたちも
ひびくほどの幸せそうな声が、女の体からあふれていたのに
今は、その奥になにがあろうと 無音のためらいに
沈黙ばかりが ひろがって、

あたしは、確かなものばかりをもとめてる

網膜をひらけば
ガラスのふちに
確かに立ち尽くす 人の波がみえるはず
何もかわらない街の 席を立ち始めたものたちの騒ぎに
人々は笑いながら、うれしそうにいく
もう、終わってしまったのですから
幕間などではなしに、

つなぎとめる方法など ないのなら
それを知るためにやってきたのかもしれない
それだけの ために
観客の 隣のものへの無関心な 
すべてを舞台へ集中する 貧欲さに
とまどっていました

つめたいままでもよいのです

なげられた花の 香りもきえるまで
過ぎ去ってしまった、明日の
終わったのなら 求めたものをたしかにひと時は、
この手にしたのですから

それでも、
背をむけたそこに
幕はさがり続け、
どうしてか
大きくゆっくりと、
今は揺れるばかり







Note: R.S.V.P. 返信を請う



自由詩 R.S.V.P. Copyright 月乃助 2009-12-26 15:05:57
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