水泳ぎ
山内緋呂子

散歩山  泥が白靴

川 見えていうなら
   小川 湖
   といったところ
清流
   ならば
苔が ここに


  ちゅる
のびて生きる棒
  さら
しっぽのついた棒

揺れ  るは
棒が生きているから

のびてのびて

遠くは

お日さま
見られないようになっています

いいですか?太陽光は目によくないのです。見てはいけません。


  池に ぼうん落
岩 苔
  水ん中でも硬いんです
    蟹も 小石も
    おまえたちも

棒に目がついていた 棒
どちらへいかれますか

つむって岩

ゆきさきは

きみのおめめの黒いところになにもない

岩と岩のあいだを
   さ りさ り
   さる

ゆくでしょう

そうすると苔が緑に   腰 背について


こうして魚になりました



♯「見る」は昔から書くとき見ているように書いていたらしく、詩と目連動。
「魚の鮮度、着色料で偽装」だそうです。ニュースジャパンより。滝川クリステル、画面と近い。


自由詩 水泳ぎ Copyright 山内緋呂子 2004-09-21 23:09:43
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