即興09/12/18
草野春心



  冬の夜道に
  息を殺して
  息づく
  痩せた空気
  その感触は覚えている
  街灯は僕の
  視界のずっと先で途切れ
  でもそこからも
  きっと続いている
  続いている
  何処かから何処かへと
  いつかからいつかへと
  それは
  冬のくれる
  永劫の感覚であり
  それは
  たとえば
  目の前を歩く
  少女の背にも宿っていて
  やはり僕はその少女を
  心に覚えている
  冬の夜に
  世界は
  ひとつのおもかげのようだ






自由詩 即興09/12/18 Copyright 草野春心 2009-12-18 22:42:12
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