空に青く
あぐり




繋いだ指を
震えさせたきみをぼくはどうして抱き締めよう
愛し方がわからないなんてそんな青さが
空に溶ければ柔い雨

ぼくを見上げる二つの黒い瞳が
濡れてしまうなこんな日は
あんなふうにと、
きみをしあわせにする誰かを時々探して一人
背中を撫でるぼくの手に
ついた爪の赤い痕が
窓にしがみついたら亡くなる声

愛しくて
飛び立つきみは鳥だろう
あんなにも広い空を
きみは上手く飛べるかな
ぼくは狡い人間だから
傍にはきっといられないし
せめてせめてあの空を
青く青く染めさせて
きみの白さが映えるよう
優しい誰かに見えるよう




自由詩 空に青く Copyright あぐり 2009-12-16 10:10:00
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