屠ってない
黒川排除 (oldsoup)

わたしが 水から上がるとき、いつも
聞き忘れていることがありまして それは喋りません が
ふ と流れていくものを 仕草、捕まえるときの
肉体の動き、地脈らしく 地層の重なり 浚渫は終わり
わたしは夢を見る 既に発展した街で 既に発展した街を
舟が通る

冷たい雪を ほふりほふり と踏み分けながら
わたしはいつも ひとりひとり と忍んでいます
わたしはいつも デファートと発音しますの デパートのことを。
わたしはいつも 油断している 帰り道など
一点一点 選り分け小箱に 包んでお届け しております


自由詩 屠ってない Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2004-09-21 02:31:49
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