bishop
プテラノドン

酔っ払って寝て起きると、警察か医者がペンライトで
照らすように、歯医者にビカッと浴びせられたみたいに
電気スタンドが見下ろすベットサイドで、顔を背ける
窓の外の街灯は、はた迷惑な灯台。夜霧漂う道の中からでも、
ヘッドライトを探すよりは容易いと
君は言った。

おそらく今夜、電波は澄みきっていたはずで、少なくとも今日、
カーステレオで聞いていた歪んだテープよりはまし。
それでも幾分気持ちが明るいのは(束の間の月明かりもまあまあだ)
テープがぷつんと切れたところで何も困りはしない。
そらで歌が歌えるってこと。それだけが不幸中の幸い。
それこそが君が唯一残したもの。街灯に止まる鳥たちも似た者同士。
その手前で立ち続けることは酷だ。そこで死ぬことなんて
考えもしないものな。



自由詩 bishop Copyright プテラノドン 2009-12-06 17:11:10
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